• 8月 25, 2023
  • 6月 17, 2025

よく耳にする坐骨神経痛とは何でしょうか?医療機関を受診する際に認識を整理しましょう!!

患者さんからよく聞くのは坐骨神経痛という言葉です。

多くの方が病院で「坐骨神経痛です」と診断されると、それ自体が病名であると考えてしまいます。しかし実際には、「坐骨神経痛」というのは病名ではなく、「お尻から脚にかけて走る神経(坐骨神経)に沿って痛みやしびれが出ている状態」を指す症状名です。

これは例えるなら、「咳が出ていますね」や「発熱がありますね」と同じであり、“何が原因で坐骨神経痛が出ているのか”を見極めることが最も重要です。


🔶 坐骨神経痛の症状とは

  • 主な症状
    • 殿部から太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先にかけての痛み・しびれが多く、歩行や座位で増悪する場合が多い
    • 時に筋力低下や感覚障害を伴う

このような症状が出た場合、「坐骨神経痛」という言葉が用いられますが、この状態を引き起こしている真の原因は人によって大きく異なります。


坐骨神経痛を引き起こす代表的な原因疾患

原因疾患特徴と説明
腰椎椎間板ヘルニア20〜50代に多い。椎間板の飛び出しが神経を圧迫し、坐骨神経領域に放散痛を生じる。
腰部脊柱管狭窄症高齢者に多い。脊柱管が狭くなることで神経根や馬尾神経が圧迫され、歩行時にしびれ・脱力を生じる。
梨状筋症候群坐骨神経が梨状筋というお尻の筋肉の下を通過する際に圧迫される。特に長時間の座位で悪化。
脊椎腫瘍・感染神経を圧迫する腫瘍や炎症により、同様の症状が生じる。夜間痛や全身症状を伴うことも。
仙腸関節障害骨盤の関節が不安定になることで、関連痛として下肢に痛みを生じることがある。
糖尿病性神経障害神経自体の障害により、坐骨神経痛様の症状が生じることがあるが、器質的圧迫とは異なる。

※上記のように、「坐骨神経痛」と一言でいっても、原因は多岐にわたります。


🔍 なぜ「坐骨神経痛」だけでは不十分なのか?

🧠 診断があいまいだと治療もあいまいになる

例えば、以下のようなことが実際に医療現場で起きています。

  • 患者:「私は坐骨神経痛だと言われたので、電気治療に通っています。」
  • 医師:「では、原因はヘルニアですか?狭窄症ですか?
  • 患者:「わかりません。ただ、坐骨神経痛だとだけ……」

このような場合、根本の原因に対する治療がなされていない可能性があります。たとえば脊柱管狭窄症なら手術が必要なケースもあり、単なるリハビリや投薬だけでは進行を止められません。


💡 治療方針は「原因」によってまったく異なる

原因疾患治療法の例
椎間板ヘルニア安静、消炎鎮痛薬、ブロック注射、保存的治療。難治例では手術。
脊柱管狭窄症徒手療法や歩行訓練、内服治療。進行例では除圧術などの手術。
梨状筋症候群ストレッチ、理学療法、局所注射など。
腫瘍・感染画像検査・血液検査の上、速やかに専門治療。

「坐骨神経痛だから湿布を貼る」というような画一的な対応は、原因によっては全く効果がないこともあります。


🩺 医療者・患者双方に求められる視点

医療者として:

  • 「坐骨神経痛」という言葉を使う場合は、必ず「原因疾患を特定し、患者に説明する」ことが重要です。
  • 病名ではなく症状名であることを明示し、原因によって治療が異なることを伝える。

患者として:

  • 「坐骨神経痛」という言葉を聞いたら、それが何に由来するものかを医師に確認しましょう。
  • 安易に治療に頼らず、本質的な原因の解明と説明を受けることが大切です。

日常診療で坐骨神経痛という言葉を知らない人がいない位認知されています。しかし、具体的な診断について言及されていないことが多くあります(実際に診断するもの難しいこともあります)。この記事を読んで自分の痛みについて興味をもった方・すでに診断がされている痛みについて違和感があればいつでも相談してください。

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