• 6月 24, 2025
  • 6月 23, 2025

🦴 骨粗鬆症についてのまとめ②(カルシウム・ビタミンDなど) 骨粗鬆症について知識を整理しましょう

🦴 カルシウムとは? ― 骨の“材料”になる栄養素

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで、その約99%が骨や歯に存在しています。残りの1%は血液や筋肉、神経にあり、心臓の拍動や神経伝達にも関与します。

推奨摂取量(日本人の食事摂取基準2020年版より)

  • 成人男性(18〜74歳):750〜800 mg/日
  • 成人女性(18〜74歳):650〜700 mg/日

高齢になるほど、カルシウム吸収率は低下するため、積極的な摂取が推奨されます。

カルシウムを多く含む食品

  • 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
  • 小魚(ししゃも、しらす)
  • 緑黄色野菜(小松菜、モロヘイヤ)
  • 大豆製品(豆腐、厚揚げ)


🦴リン

リンはカルシウムと共に骨を構成する成分ですが、現代の日本人の食生活ではリンの摂取過剰が問題となっています。
これは加工食品・インスタント食品・清涼飲料水に多く含まれるリン酸塩の摂取によるものです。

リン過剰のデメリット

  • 血中カルシウムが減少し、骨からの動員が起こりやすくなる
  • 骨代謝のバランスを崩し、骨密度の低下を招くおそれがある

リンの摂取目安

成人男女ともに:1000 mg/日(上限:3000~4000 mg)


🦴マグネシウム

  • 骨に約60%が存在し、カルシウムとともに骨の構造に関与
  • 活性型ビタミンDの合成や副甲状腺ホルモン(PTH)の調節にも必要

不足すると骨の形成・修復が障害されることがあり、注目されつつある栄養素です。

推奨摂取量

  • 成人男性:約370 mg/日
  • 成人女性:約290 mg/日

その他の注目栄養素

栄養素役割
亜鉛骨芽細胞の活性化、骨形成促進に関与
ビタミンK骨タンパク質オステオカルシンの活性化に必須
ビタミンDカルシウム吸収を促進、骨代謝の調節に必須
ビタミンCコラーゲン合成に関与し、骨の弾力性に寄与

🦴ビタミンD


✅ ビタミンDのはたらき

主な働き説明
🦴 カルシウムの吸収促進小腸からのカルシウム吸収を高め、血中のカルシウム濃度を安定させます。
🦴 骨の再構築のサポート骨を作る「骨芽細胞」や、骨を壊す「破骨細胞」の調整に関与します。
💪 筋力維持・転倒予防筋肉の収縮や神経伝達に必要で、高齢者の転倒防止にも効果的です。
🛡️ 免疫機能の調節風邪やインフルエンザ、最近では新型コロナなどの感染症予防への関与も注目されています。

✅ ビタミンDが不足するとどうなる?

  • 骨粗鬆症・骨軟化症・くる病(小児)
  • 筋力低下・転倒リスクの増加
  • 慢性的な腰痛・関節痛・神経痛の悪化
  • 感染症にかかりやすくなる
  • 高齢者では要介護状態のリスク上昇

特に高齢者・女性・室内生活が多い方は欠乏しやすいので注意が必要です。

✅ どうやって補えばいいの?【3つの方法】

日光浴(皮膚での合成)

  • ビタミンDは紫外線(UV-B)を浴びることで皮膚で合成されます。
  • 1日15分程度、手や顔に日光が当たるだけでも効果があります。
  • ただし、高齢者・日焼け止め使用者・屋内生活者では合成効率が低くなる傾向があります。

食事から摂取

食品名ビタミンD含有量(μg)※100gあたり
約30
いわし(丸干し)約50
きくらげ(乾燥)約440
卵黄約2
干ししいたけ(天日干し)約17
  • 魚類・きのこ類が特に豊富
  • 天日干しされた食材はビタミンD含有量が増加します

サプリメントや医薬品

  • 食事・日光だけで不足する場合、**サプリや医療用ビタミンD製剤(アルファロール、エディロールなど)**の活用も検討します。
  • 医師の判断のもと、血中25(OH)D濃度を測定しながら補充します。

✅ ビタミンDの目安摂取量と理想の血中濃度

年齢層推奨摂取量(μg/日)
成人(18歳以上)8.5 μg(=340IU)
高齢者や骨粗鬆症患者**10〜20 μg(400〜800IU)**以上が望ましい
血中濃度評価
30 ng/mL 以上適正・十分
20〜30 ng/mL不足気味(要注意)
20 ng/mL 未満欠乏(治療の対象)

※血液検査で測定されるのは「25(OH)D」という指標です。


✅ 吸収経路

能動輸送(ビタミンD依存性)

  • 主に十二指腸で行われる
  • 活性型ビタミンD(1,25(OH)₂D₃)の働きで、小腸の細胞がカルシウムを積極的に取り込む
  • 食事のカルシウムが少ない時や必要性が高い時に重要

👉ビタミンDが不足していると、カルシウム吸収は著しく低下します。

受動拡散(濃度勾配による)

  • 小腸の後半(空腸〜回腸)で行われる
  • 腸の内側と外側のカルシウム濃度の差によって自然に吸収される
  • 食事中にカルシウムが多く含まれているときに優位

🧬 カルシウム吸収を助ける要素

要素役割・補足説明
ビタミンD活性型ビタミンDが腸の細胞でカルシウム輸送体を作らせ、吸収を促進
胃酸胃酸で溶けたカルシウムは吸収されやすくなる(高齢者や制酸剤服用者は注意)
たんぱく質適量のたんぱく質は腸の機能を整え、吸収をサポート

⚠️ 吸収を妨げるもの

妨げる要因内容
食物繊維の過剰摂取カルシウムと結合して吸収を妨げることがある
フィチン酸・シュウ酸穀類や野菜に含まれ、カルシウムと結合して不溶性の塩を作る(例:ほうれん草のシュウ酸)
リンの過剰加工食品などに多く含まれ、カルシウムとのバランスが崩れると吸収が低下
カフェインやアルコールの過剰摂取利尿作用によりカルシウムが排泄されやすくなる


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