• 6月 12, 2025
  • 6月 11, 2025

椎間関節性の疼痛に関して知識を深めて適切に対処しましょう!!

昨今、非常に多いと言われている非定型腰痛(画像検査では大きな異常がみられない腰痛)の中で今回は椎間関節由来の痛みについて解説します。

椎間関節は腰痛の後方支持組織とされており各椎体ごとに左右の2個あります。役割は腰椎の前後屈・回旋・下肢からの荷重の分散・腰椎周囲筋の起始/停止などとされています。以前から腰痛の原因とされていますが、画像上の確定診断は困難とされています。 また、椎間関節には脊髄神経の後枝内側枝が分岐することが知られており腰痛の原因と言われています。

1. 疫学

椎間関節性の腰痛は非定型腰痛の20%程度とされており、就労による負荷・外傷など多くの原因があり性別・年齢で差はないとされています。

2. 身体所見

特徴的な身体所見は、後屈での痛みです。

多くの方は診察室で、前屈より後屈で痛みを訴えます。しかし、発症のパターンは必ずしも後屈ではなく、多くは前屈での動作(重いものを持ったなど)・長時間保持などで発症するため椎間板性腰痛や仙腸関節障害と同様の機序で発症します。

②臀部・下肢の痛み

障害されている椎間関節の近傍を走行する神経根の支配領域へ放散痛がでるとされており、臀部痛が下肢痛がある場合は障害されている椎間関節が同定できることもあります。しかし、臀部や大腿部は複数の神経支配をうけており、仙腸関節と同様にそけい部の痛みも出現することもあるため下肢症状の一様ではありません。

③ テストでの陽性反応

明確な診断方法はありませんが、

後屈での痛み、さらに疼痛側に体幹を回旋させながら後屈することで疼痛が増強することが多くあります。

下位腰部を固定して後屈した際に症状が軽快することがあります。

仙腸関節のPSISほどではありませんが、PSISより中枢側に圧痛がみられることがあります。

3. 治療方法

保存療法

装具療法:仙腸関節ベルトやコルセットを使用することで、仙腸関節を安定させ、痛みを軽減します。特に、出産後の女性や慢性的な仙腸関節炎の患者に効果が高いです。

薬物療法:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を用いて、炎症と痛みを抑えます。これにより、日常生活の動作がしやすくなります。強い痛みがある場合には、仙腸関節内へのステロイド注射が行われることがあります。この治療は一時的な効果が期待されますが、長期的な症状改善には再発のリスクがあるため、他の治療法との併用が推奨されます。

理学療法:腰部や骨盤周囲の筋肉のストレッチや筋力強化が重要です。骨盤底筋やコアマッスルを鍛えることで、関節への負担を軽減し、腰痛や臀部痛の軽減に繋がります。また、姿勢の改善や正しい動作を学ぶことで、再発を予防することができます。

ブロック療法:エコーガイドで椎間関節を同定し、関節内または関節周囲に薬液を注入します。もっとも即時有効性が高い治療です。

椎間関節の痛みは非定型系腰痛の中で比較的多く、ブロック治療もしやすいのが自身の印象です。当院でも詳しく治療しているのでいつでもご相談ください。

その他、関連記事

仙腸関節炎について解説します。非定型腰痛(原因不明の腰痛)の中で比較的多くを占める疾患です。 – 梶原クリニックブログ

梶原クリニックについて↓

梶原クリニック (kajiwara-clinic.jp)

梶原クリニックブログ(STG) (kajiwara-clinic.jp)

ドクターズ・ファイル掲載記事 1(doctorsfile.jp)掲載記事2 (doctorsfile.jp)

【2024年】世田谷区の整形外科 おすすめしたい11医院 (medicaldoc.jp)

病院なびドクタビュー (byoinnavi.jp)

梶原クリニック Instagram

診療予約の方はここをクリック

梶原クリニック 03-5301-5656 ホームページ