- 5月 20, 2026
- 9月 9, 2026
椎間板性腰痛について詳しく解説!!

①椎間板性腰痛について
椎間板性腰痛(Discogenic low back pain)は、非定型腰痛の一種に分類されます。原因は、椎間板の変性や機能不全に起因し、椎間板内の微小な亀裂や炎症が疼痛シグナルを引き起こす疾患です。
『腰椎椎間板ヘルニア』はよく聞くかとおもいますが、それど同義に扱われることと別げ扱われることがあります。多くの椎間板ヘルニアは椎間板の膨隆を認めるため神経の圧迫に伴う神経症状(主に下肢の痛み)が出現します。しかし、非定型腰痛の一系と分類される椎間板性疼痛の多くは椎間板の膨隆を認めないため、椎間板そのものが痛みの発生源となることが知られています。椎間板内圧の変化や蛋白分解酵素の放出による炎症反応がおこります。さらに、椎間板への新生血管・神経繊維の侵入が痛みを増強すると考えられています。
②身体所見について
① 体幹の前屈での痛み
前屈位での腰痛増強が典型的です。また、長時間の座位保持や咳嗽・くしゃみなどで疼痛が誘発されることがあります。それによる椎間板への圧迫ストレスが疼痛増強の機序と考えられています。
②座位での痛み
椎間板性疼痛が明確であると座位をとること・取り続けることが困難になります。特に腰椎椎間板ヘルニアを認める方は診察室に入る際に座ることが困難です。そのため、腰の後ろに手を当てて体をそって診察室に入ってくることが多くあります。
③ 下肢放散痛
殿部から大腿後面にかけて放散する疼痛を訴える場合がありますが、坐骨神経根圧迫を伴わないため、膝下への放散は稀です。そのため、膝下への放散痛が著明な場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の合併を疑います。
④ テストでの陽性反応
まず、直線下肢挙上(SLR)テストで疼痛再現を認めることがあります。
そのため、椎間板性腰痛をつよく疑った場合は椎間板造影・ブロックを行います。それに疼痛の再現性や麻酔薬での除痛の有無などを確認します。
③治療方法について
安静と活動調整:まず、過度な前屈姿勢や長時間の座位を避け、日常動作の工夫を行います。
装具療法:次に、腰部コルセットやサポートベルトにより椎間板へのストレスを軽減します。
薬物療法:NSAIDsや筋弛緩薬を使用し、疼痛と炎症を抑制します。また、必要に応じて短期間のオピオイドや神経痛改善薬を併用することもあります。
理学療法:McKenzie法やコアマッスルトレーニングなどのリハビリを行います。
経皮的治療:施設によっては、経皮的電気的椎間板治療(IDET)やラジオ波熱凝固法(RFT)など、局所加温による痛覚神経線維の変性を利用した治療法を選択する場合があります。
ブロック療法
椎間板内注射:造影下で椎間板内に局所麻酔薬やステロイドを注入し、診断的および治療的効果を得ます。
神経根ブロック:神経根周囲にステロイドや麻酔薬を注入し、放散痛を軽減します。
椎間板性腰痛は慢性腰痛の中で高頻度にみられる原因の一つであり、診断的ブロックを含む多角的アプローチで症状の改善と再発予防が可能です。
その他に椎間板への再生医療の研究の日々進んでいます。
腰痛の原因が診断できることは少なく(腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など)、多くは非定型腰痛に属します。正しく診断するには時間がかかることが多いものの正しい知識を持つことは重要です。いつでもご相談ください。
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